松ろう先輩の声
松ろう先輩の声

卒業生の声 Vol.1 内藤愛兼さん

こんにちは。松江ろう学校の卒業生の内藤愛兼です。また、福田与志先生イラストの作成者です。

 現在は、茨城県つくば市にある『筑波技術大学』産業技術学部総合デザイン学科の学生です。4月から3年生になりました。寮生活からアパート生活に変わって本格的な一人暮らしが始まり、アルバイトや就職活動も始まるので、最も忙しい年になると思います。それでも充実した日々を送れるように今も毎日頑張っています。

 大学生活はとても楽しいです!色々な出会いがたくさんあって、知らないことも学べられるので、自分の知らない世界を知るのが楽しいです。学業は忙しいですが、興味のある講義を受けられるので、面白い所もあります。サークルは卓球と野球のマネージャーとして所属しています。大学の先輩から依頼されてやっていますが、今までマネージャーという仕事を経験したことがないので新たな経験として楽しんでいます。

 今、どんな就職に就きたいかを探すために自分を分析している所です。大学2年間、様々な講義を学んできたから得意なこと、不得意なことを分別してそこから分析していって、それに合った職業を探していきたいなと考えています。

 

1 松ろうの魅力について

〇悩み相談を打ち明けやすい場でもあり、学校や寮の先生、友達と一緒に解決方法などを考えてくれるところ。

 松ろうの方々は最後まで人の心と向き合っているので、相談しやすく、解決できるまで一緒に方法を考えてくれるので心強いと思っています。

 

〇聴者(松江の学校や地域の方)と交流出来るところ。

 ろう学校だけではなく、他の学校や地域の方と交流することで様々な経験が出来るという所が松ろうの長所だと思っています。

 

2 進路決定について

〇高校(高等部)

 最初、大学や専門学校への進学の幅を広くする為に地元の学校に入るべきだと考えていました。ですが、ろう学校へ進学したいという気持ちもありました。小、中は地元の学校に通っていたので、私以外のろう・難聴者との出会いが少なく、ろう・難聴者の世界がどんな世界なのかほとんど知らなかった為、これを機に色々な勉強を知りたくてろう学校へ進学してみたいと思っていました。両親に相談したら、最初は地元の高校でも頑張って欲しいという意味で反対気味でした。ですが、自分の道だから、自分で決めるべきだと考え直し、賛成してもらいました。両親が反対していた理由は「壁を乗り越えて欲しい」という願いがあったのだと思います。実は私が中学生の頃、いじめにあっていた為、最大の悩みである人間関係から逃げていたのです。それも人生の壁の1つで、地元の高校でも壁を乗り越えられるように頑張って欲しいという願いがあって反対したのだと思います。(私の予想ですが、なんとなく親の気持ちが伝わってきました。)

 

〇大学

 実は、筑波技術大学に進学することを最初から候補に入れていませんでした。高1から専門学校に入るという意思が固まっていたので、情報系や栄養系等の職業に就くと考えて、それに合った専門学校を探していました。しかし高2のいつからでしょう…。高等部の教室前に大学や専門学校のパンフレットがたくさん置いてありました。その中に、筑波技術大学を見つけて、その当時、ろう・難聴者が集まる大学はどこにもないと思い込んでいたので、筑波技術大学があることを知り、興味を持ちました。そこから、「どんな大学なんだろう。とても気になる!」と興味を持ったのがきっかけで、大学に進学すると決めました。その時はどの専門学校に入るかを決める頃でしたので、突然考えが変わり、両親と担任先生に告げたらとても驚かれました。正直、当時の学力では大学に進学するには程遠い道でした…。それでも諦めることは無く、落ちても良いから、ダメ元でやってみようと推薦入試で受けました。結果は合格出来てとても驚きました。

 

 進路を決める時は自分で決めていました。周りの人の意見に惑わされながら決めて後悔するより、自分の人生だから自分で決めると心に決めていたので、自分で選択しました。ただ、選択するのは簡単だけど、そのことを両親や先生に説得することが一番大変でした。

 

3 後輩へのメッセージ

〇自分の道は自分で決めること。

 進路決定に書いてある通り、周りの意見を聞くのは良いことだが、人に決めてもらうのは良くなく、後悔します。何があってからは遅いので、よくよく考えて、自分で判断することが大事です。

 

〇失敗をたくさんするべき。

 最初から完璧な人はいません。「失敗」を恐れている人がいてもおかしくはありません。ただ、失敗を経験しないと新たな知識を得ることが出来ず、また過ちを繰り返してしまいます。なので、今のうちたくさん失敗してください。たくさん失敗をして、反省をして、また挑戦をして、成功を手に入れてください。「失敗は成功のもと」です。

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