幼稚部への入学にあたって
松江ろう学校
本校幼稚部は、幼稚園教育を基盤にした聴覚障がいの専門的な教育を受けることができる場です。幼児一人一人が幼稚部での生活を楽しみにし、「~したい」「~やってみたい」と感じるよう幼稚部全教員が連携して教育にあたります。
幼稚部では、幼児の成長過程において大切な“親子のかかわり”を支えるために、家庭との連携をとっていきたいと考えています。その一つとして、可能な家庭には保護者による付き添いをお願いしています。付き添いには下記のように『付き添いの意義』と『付き添いのメリット』があります。幼稚部生活で実際に付き添いをすることで、その良さを感じていただけると嬉しいです。
付き添いをすることで家庭によっては、生計の負担や家族の負担が生じてくることも考えられます。幼児が安心して登校し、教育を受けることを大切にしながら、幼児の実態や家庭の状況に応じて、相談しながら一人一人にあった教育を進めていきたいと思います。
【付き添いの意義】
幼児期は、身近な養育者である大人にしっかりと共感してもらい、気持ちを受けとめてもらえた安心感、活動や出来事での親子の気持ちの共有体験をすることが大切です。ありのままの自分を受けとめてもらい、関わっていく中で、自己肯定感(「私は私でいいんだ」)、自己有能感(「私、こんなことができるよ!」)が育まれていきます。親子が「お互いにわかりあえる」ことで、親子の関係がしっかりと築かれていきます。家庭と学校がより連携して幼児の成長を支え、「今ここで」のコミュニケーションを大切にでき、ともに幼児の成長を喜び合えると考えます。
<付き添いのメリット>
保育参加及び保育参観から
◎きこえない・きこえにくい子どもの子育てや言葉を育てることについて理解を深めることができる。
○保護者が幼児と一緒に活動することで、共有体験を積み重ねることができる。
○子どもが伝えようとしていることや心に残っていることを、その都度保護者と教員間で確認し、身近な大人(保
護者や教員)が子どものモデル(手本)となって、子どもにわかる言葉で伝えることで、幼児の発語を促した
り、コミュニケーションを深めたりしていくことができる。
○保護者が幼児と一緒に活動し保育中の幼児の様子を見ることで、家庭でのかかわりに活かし、他の家族とも
共有することができる。
保護者同士の学び合いから
○保護者学習会での学びや保護者懇談会での情報共有などを通して、聴覚障がい児の子育てについて、知識や
理解を深めることにつながる。
○休憩時間等に日頃の育児や子どもとのかかわりについて保護者同士が話すことで、多くの情報が得られ、喜び
や嬉しさを共感したり、悩みや不安の解消にもつながったりする。